BitMEXではビットコインの無期限契約の他にも豊富な先物取引があります。
先物取引ごとに特徴が違い手数料も違います。
今回はどのような先物取引があるのか、手数料はどのようなものがあるのかご紹介します。
BitMEXの無期限・先物・アップサイド・ダウンサイド契約と手数料を理解しよう
先物取引と手数料の種類
BitMEXでは大きく分けて3つの先物取引と4つの手数料があります。
無期限契約
先物
アップサイド・ダウンサイド利益契約
取引手数料(メイカー・テイカー)
資金調達(Funding)
決済手数料
入金・出金手数料
下記は契約と手数料の早見表です。
取引手数料 | 資金調達費用 | 決済手数料 | |
無期限契約 | 必要 | 必要 | 無料 |
先物 | 必要 | 無料 | ビットコイン:0.05% アルトコイン:無料 |
アップサイド利益契約 ダウンサイド利益契約 | 無料 | 無料 | 無料 |
どの先物取引を利用するかで発生する手数料は変わりますので、各種先物の特徴などをご紹介します。
無期限契約とは
無期限契約は満期日のないデリバティブ商品のことを言います。
日本ではよくFXと呼ばれている商品です。
BitMEXにおける無期限契約はビットコイン(XBTUSD)とイーサリアム(ETHUSD)の二つがあります。
無期限契約のレバレッジと手数料
レバレッジ | メイカー手数料 | テイカー手数料 | 資金調達 | |
XBTUSD | 1~100倍 | -0.025% | 0.0750% | 8時間毎 |
ETHUSD | 1~50倍 | -0.025% | 0.0750% | 8時間毎 |
レバレッジはXBTUSDが最大100倍、ETHUSDが最大50倍のレバレッジに対応しています。
無期限先物で発生する手数料は売買時の取引手数料とポジションを維持するための資金調達費用が発生します。
取引手数料はマイナス手数料であるメイカーによる注文でオトクにできます。
資金調達費用は8時間毎に発生します。
先物との違いとメリット・デメリット
満期日を気にする必要がない
価格が現物とほぼ同じ水準で動く
8時間毎に資金調達費用が掛かる
無期限契約は満期日がないので売買するタイミングを自由に選べること、満期日を気にしなくていいことがメリットになります。
また、無期限契約と現物の価格がほぼ同じ水準で動く特徴があります。先物は満期日などが近づくと現物の価格と乖離する場合があります。
期日を気にする必要性がないのが無期限契約のメリットになりますが、BitMEXでは8時間毎に資金調達費用が掛かります。
長期間に渡って同じポジションを維持する場合は資金調達費用分だけ利益が減るのがデメリットになります。
どのような場合に無期限契約を利用するの?
BitMEXのほとんどの利用者が無期限契約を利用しています。
無期限契約は1日でトレードを完結させるデイトレードなどの短期間のトレード、1~3カ月の目線でトレードを行う中長期のトレードで利用します。
取引手数料と資金調達費用が掛かりますが、取引手数料はマイナス手数料を利用すれば実質無料な上に手数料をもらえます。
資金調達費用についても8時間毎に費用として発生はしますが、資金調達率が高ければ先を見越してポジションを閉じれば費用は払わなくて済みます。

先物取引は種類が豊富だ!
まずは無期限契約を利用するといいぞ!
先物とは
先物とは3カ月や6カ月などの期日を設けて売買を行うデリバティブ商品です。
期日までに売買を完了させる必要があり、期日の最終日(満期日)になるとポジションは清算されます。
BitMEXでは期日が設けられた先物契約がいくつもあります。
ビットコインやイーサリアムの他にもアルトコインの先物もあります。
どれも期日が決まっており、おおよそ3カ月の期日がついています。
先物のレバレッジと手数料
通貨の名前 | レバレッジ | メイカー手数料 | テイカー手数料 |
ビットコイン(BTC, XBT) | 1~100倍 | -0.0250% | 0.0750% |
イーサリアム(ETH) | 1~50倍 | -0.0250% | 0.0750% |
Bitcoin Cash(BCH) | 1~20倍 | -0.0500% | 0.2500% |
EOS(EOS) | 1~20倍 | -0.0500% | 0.2500% |
カルダノ(ADA) | 1~20倍 | -0.0500% | 0.2500% |
トロン(TRX) | 1~20倍 | -0.0500% | 0.2500% |
ライトコイン(LTC) | 1~33倍 | -0.0500% | 0.2500% |
リップル(XRP) | 1~20倍 | -0.0500% | 0.2500% |
レバレッジは無期限契約同様にビットコインが最大100倍、イーサリアムが50倍です。
その他のアルトコインは1~20倍になりますが、ライトコインのみ1~33倍になります。
先物はイーサリアムを除くアルトコイン各種類のテイカー手数料が高めに設定されています。
メイカーで注文をしないと結構高めの手数料を支払う事になるので注意して下さい。
無期限先物との違いとメリット・デメリット
手数料は取引手数料のみ
資金調達費用が発生しない
期日内で売買をしなければならない
満期日が近づくと現物との乖離が発生する場合がある
先物で発生する手数料は取引手数料のみになります。資金調達費用は発生しません。
無期限先物の場合は取引手数料の他に8時間毎に資金調達費用が発生しますので、ポジションを維持するのにお金が掛からないのがメリットになります。
そのため、手数料面では先物の方がオトクですが、満期日が決まっている為、3カ月毎にポジションを閉じる必要があります。
また、満期日が近づくと現物との乖離が発生する場合があります。
満期日にはポジションが清算されるため、それを見越してポジションを閉じる必要のあるためです。
満期日が近づく前にポジションを閉じると乖離の影響を受けにくいです。
どういう場合に先物を利用するの?
例えばですが、3カ月の期日付き先物を利用する場合は3カ月後の価格を予想して売買します。
今回は売買例としてリップル(XRP)の先物を紹介します。
XRPは急騰した後に下落が長い期間続く特徴があります。
これはアルトコイン全般に言えますが、一度急騰するとしばらくボックス相場になるか長期間の下落トレンドに入ります。
そのため、XRPが急騰したのを確認した後に『3カ月後は下落するだろう』と予想してショートポジションを持ちます。

XRP週足(2017年~2019年7月まで)
上記の画像はXRP/BTCの2017年~2019年7月までの週足です。
XRPは急激に上がるとゆっくりと時間を掛けて下げが続きます。
ショートのタイミングが良いと利益が出ます。このように値動きを予想してトレードをするのが先物になります。

XRPは信者が多いからこっそりショートしろ!
バレるとメカに改造されるかも…
アップサイド・ダウンサイド利益契約とは
アップサイド・ダウンサイド契約は、BitMEXが決めた価格(行使価格)を元に取引をする先物契約です。
アップサイド利益契約の場合だと、行使価格を超えた分の利益が貰えます。
ダウンサイド利益契約の場合だと、行使価格より下回った分が利益として貰えます。
2019年8月時点でのアップサイド・ダウンサイド利益契約の対象はビットコインのみとなります。
アップサイド・ダウンサイド利益契約のレバレッジと手数料
レバレッジの倍率 | メイカー手数料 | テイカー手数料 | |
アップサイド利益契約 | 1倍 | 0% | 0% |
ダウンサイド利益契約 | 1倍 | 0% | 0% |
アップサイド・ダウンサイド利益契約はレバレッジは1倍のみとなります。
アップサイド・ダウンサイド利益契約どちらも取引手数料は無料です。
資金調達費用も掛からないのでBitMEXの先物契約の中でも最もコストが掛かりません。
アップサイド・ダウンサイド利益契約はどのような場合に利用するの?
アップサイド・ダウンサイド利益契約はビットコインの価格が今後上がるか下がるかを予想するシンプルな先物です。
そのため、使い方はとてもシンプルです
ビットコインの価格が今後上がると予想→アップサイド利益契約を使う
ビットコインの価格が今後下がると予想→ダウンサイド利益契約を使う
ビットコインが上がるか下がるかの予想をするのは難しい面がありますが、ビットコインのアノマリーとして1月や8月は価格が下げやすい傾向があります。

1月と8月にダウンサイドを利用すれば勝てるかもな!
手数料について
次に各先物契約で発生する手数料、BitMEXを利用する上で発生する手数料を紹介します。
冒頭で説明したように手数料は大きく分けて4つの種類があります。
取引手数料(メイカー・テイカー)
資金調達(Funding)
決済手数料
入金・出金手数料
入金・出金手数料を除き3つの手数料は取引に関する手数料となっています。
ひとつひとつ詳しくご紹介します。
取引手数料について
取引手数料 | |
無期限契約 | 必要 |
先物 | 必要 |
アップサイド利益契約 ダウンサイド利益契約 | 無料 |
取引手数料はBitMEXで仮想通貨を売買する際に発生する手数料です。
無期限契約・先物で取引手数料が発生します。
アップサイド・ダウンサイド利益契約では取引手数料は発生しません。
取引手数料の一覧
下記が取引手数料の一覧となります。
通貨の名前 | メイカー手数料 | テイカー手数料 |
ビットコイン(BTC, XBT) | -0.0250% | 0.0750% |
イーサリアム(ETH) | -0.0250% | 0.0750% |
Bitcoin Cash(BCH) | -0.0500% | 0.2500% |
EOS(EOS) | -0.0500% | 0.2500% |
カルダノ(ADA) | -0.0500% | 0.2500% |
トロン(TRX) | -0.0500% | 0.2500% |
ライトコイン(LTC) | -0.0500% | 0.2500% |
リップル(XRP) | -0.0500% | 0.2500% |
BitMEXではマイナス手数料を採用しています。
具体的にはBitMEXの取引ではメイカーになると取引手数料分を受け取ることが出来ます。
もし1BTCが100万円の時に、1BTCの注文をメイカーで出すと、250円分のBTCが受け取れます。
BitMEXを利用する時は出来る限りメイカーで注文を出すとオトクです。

BitMEXではメイカーで注文するのが基本だ!
さて、トレードの初心者の方は『メイカーとテイカーって何?』と疑問に持つと思います。
メイカーとは簡単に言いますと板にない価格での指値注文のほとんどがメイカーになります。
テイカーとは成行注文などすぐにポジションを持てる注文がテイカーとなります。
具体的な例を紹介します。
買い(ロング)の場合のテイカー・メイカー
上記はBitMEXの注文板(オーダーブック)です。
買いの場合は下部(黒枠)の価格帯が全てメイカーになり、上部(赤枠)の価格帯がテイカーになります。
指値注文で価格を『10187.5』とすればメイカーになります。『10188』と入力するとテイカーになります。
売り(ショート)の場合のメイカー・テイカー
売りの場合は上部(黒枠)の表示の価格帯が全てメイカーになり、下部(赤枠)の価格帯が全てテイカーになります。
指値注文で価格を『10281.5』とすればメイカーになります。『10281』と入力するとテイカーになります。
資金調達費用について
資金調達費用 | |
無期限契約 | 必要 |
先物 | 無料 |
アップサイド利益契約 ダウンサイド利益契約 | 無料 |
資金調達費用は無期限契約において発生する手数料です。
先物とアップサイド・ダウンサイド利益契約では発生しません。
資金調達費用は8時間毎に発生して、資金調達率によって手数料は変動します。
資金調達率とは
資金調達率(Funding手数料)とは、BitMEXで無期限契約で発生するポジションの維持費用です。
BitMEXでは取引されているビットコインの価格が、他の取引所と大きな差が生まれないように資金調達率のような維持費用を採用しています。
資金調達率が採用されているのは無期限契約のビットコイン(XBT), イーサリアム(ETH)になります。
資金調達率は基本的には0.01%で上下しますが最大は-0.375%~0.375%になります。
出来高が急激に増えたり、価格の急騰・急落で資金調達率は変化しますので確認は怠らないようにしましょう。
下記は資金調達についての表です。
資金調達率 | 基本 0.01% 最大 -0.375% ~ 0.375% |
調達発生時刻 | 8時間毎 5時, 13時, 21時 |
資金調達のタイミングは取引画面右上に詳細が表示されています。
資金調達率の受け取り・支払い
上記は2019年8月16日~18日のビットコイン(XBT)の無期限契約の資金調達率です。
16日21時(-0.0043%)、17日05時(-0.0138%)、17日13時(-0.0098%)はすべてマイナスの資金調達率となっています。
この場合に買い(ロング)のポジションを持っている場合は資金調達率分の費用を受け取り、売り(ショート)のポジションを持っている場合は資金調達率分の費用を支払います。
17日21時(0.01%)、18日05時(0.01%)はすべてプラスの資金調達率となっています。
この場合はロングポジションは資金調達率分の費用を支払い、ショートポジションは資金調達率分の費用を受け取ります。
簡単にまとめると下記の表のようになります。
日時 | 資金調達率 | ロングポジション | ショートポジション |
8/18 05:00 | 0.01% | 支払い | 受け取れる |
8/17 21:00 | 0.01% | 支払い | 受け取れる |
8/17 13:00 | -0.098% | 受け取れる | 支払い |
8/17 05:00 | -0.0138% | 受け取れる | 支払い |
8/16 21:00 | -0.0043% | 受け取れる | 支払い |
決済手数料
決済手数料 | |
無期限契約 | 無料 |
先物 | ビットコイン:0.05% アルトコイン:無料 |
アップサイド利益契約 ダウンサイド利益契約 | 無料 |
決済手数料とは、現在のポジションを清算する場合に掛かる手数料です。
先物のビットコインにのみで決済手数料が発生します。
無期限契約、先物のアルトコイン、アップサイド・ダウンサイド利益契約では決済手数料が発生しません。
決済手数料は満期日となったビットコインの先物契約でポジションを解消していない場合に発生します。
清算は先物期日の満期による清算、一定の損失を出した場合のロスカットなどで発生します。
BitMEXの決済手数料は基本的に無料です。決済手数料が発生する場合でもかなり低額です。
入金・出金手数料について
BitMEXでは入金と出金に手数料は発生しません。
入金手数料 | なし |
出金手数料 | なし |
只、出金の際にはビットコインネットワーク料金を払う必要があります。
ビットコインネットワーク料金はBitMEXは0.001BTC払うことを推奨しており、最低でも0.0002BTC支払う必要があります。
ビットコインネットワーク料金とは
ビットコインネットワーク料金とはマイナー手数料とも呼ばれているマイニングをしている人達に支払う手数料です。
ビットコインネットワーク料金の設定を高くする事で送金が優先的に処理されます。
ビットコインの送金が詰まっている時などに設定を高くする事で送金時間が短縮されます。
もし急ぎである場合は0.002BTCなど推奨とされている0.001BTCより高めの設定をしましょう。
手数料を安くする方法はある?
手数料を安くする方法としてはマイナス手数料を積極的に使う事です。
メイカーで注文を出してポジションを持つことを意識すればマイナス手数料なので手数料分だけ儲かります。
他には当サイトを経由して新規アカウントを作成すると6カ月間手数料が10%割引になります。
手数料をとにかく安くしたい人は新規アカウントを用意して手数料をオトクにしましょう。
アカウント登録方法は下記の記事で説明しています。

まとめ
今回は先物契約と手数料についてご紹介しました。
マイナス手数料を積極的に利用することでBitMEXの取引手数料は実質無料です。
これからBitMEXでトレードを開始する人はまず無期限契約のXBTUSDでマイナス手数料を試してみると良いです。
BitMEXでは無期限契約が人気なので慣れておいて損はありません。
先物契約と手数料について理解できた人は次にBitMEXのレバレッジについても理解しておく必要があります。
BitMEXのレバレッジの仕組みについては下記をぜひお読み下さい!

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